我が国は、ご存知のように平均寿命の伸びと出生率の低下から超高齢化社会を迎えようとしており、2010年頃には、人口の3人に1人、労働力人口においても5人に1人が60歳以上になるといわれております。
こうした高齢化は、我が国の経済社会に大きな影響を与えるとともに、2001年からは年金の支給開始年齢の段階的引き上げも開始されており、経済社会の活力を維持していくためには、60歳台前半層の方の就業意欲や経験、知識などを労働力として有効活用することが重要な課題となっております。
雇用・就業に向けて期待される事業
このため、高年齢者雇用安定法の改正が国会で審議されており、今後は定年年齢や継続雇用制度の年齢制限を段階的(平成18年度から)に引き上げて行き、平成23年度からは希望者全員が65歳まで働ける制度となることを目指すとしております。
このように、高齢者の継続雇用の必要性が高まっている一方で、再就職支援と高齢者個々の多様な雇用・就業ニーズに見合う雇用・就業の場の確保が重要となっております。その個々の希望に応じた雇用・就業のお手伝いをするのがシルバー人材センター事業であり、その中でも一般の雇用・就業にもつながるものとして、シニアワークプログラム事業は特に期待を寄せているところであります。
事業の積極的な活用を
このシニアワークプログラム事業は、各事業主団体等の協力を得て、技能講習や職場体験などを行うことにより、主に再就職を希望する高齢者を支援するものであります。そして、講習等終了後は事業主団体傘下の事業所などによる合同面接会等を実施することで、高齢者の具体的な雇用・就業につなげるものです。
島根県は全国一の高齢県であり、いきいきした島根を実現するには、60歳台前半層を中心とした高齢者の力が不可欠であるといえます。事業主の皆様には合同面接会への参加などによる即戦力となる人材の確保を、また雇用・就業を考える60歳台前半層のシニアの皆様方には、技能修得のみならず新たな職場に踏み出す勇気も与えてくれる場でもありますので、このシニアワークプログラム事業を積極的に活用していただき、元気な地域社会づくりに貢献していただければと思います。
求められる就職実績
国の厳しい予算の状況を反映し、施策の事業実績が評価されることとなっており、このシニアワークプログラム事業についても、事業実績に見合った就職実績を求められることとなります。この事業の委託先であるシルバー人材センター連合を中心に、各市町村シルバー人材センターのご協力によりこのシニアワークプログラム事業が一層充実し、一人でも多くの方が雇用・就業による社会参加ができることを期待するものであります。 |