機関誌ぷらいむ
いきいき暮らし健康情報

No.18NO.19NO.20 | No.21
知恵と工夫で悩みを解消、健康な体づくりへ(No.21)
最も気になる症状は??
 「運動のすすめ」で、ウォーキングの大切さを19号のこのコラムで紹介しましたが、実践しておられますか? 皆さんの最も気になる症状は何でしょうか? 「国民生活基礎調査(2001年)」(厚生労働省)によると、第1位は、腰痛、第2位が肩こりだそうです。いずれも、約10人に1人の方がこういう症状をもっておられます。しかも、医者にかかっている人は、高血圧に次いで、第2位と第3位と高率です。腰痛や肩こりは、運動器の病気と言われますが、2000年から10年間かけてこういう病気を追放するための国際的なキャンペーンが行われています。
 腰痛と肩こりは、どちらも2本足で歩くようになった人類の宿命と言われ、脊椎とそれをとりまく筋肉の疲労から起こります。皆さんは、どのような時にこの2つの症状が起こりますか? 「同じ姿勢を長時間続ける」「中腰の姿勢」「草むしり作業」「ストレスが続く」「運動不足」など原因となることがありませんか?
 かっては、腰痛患者は「安静にしなさい」が定説でしたが、今は「動けるならば動きなさい」と整形外科の先生方も勧めています。腹筋や腰背筋を鍛えるストレッチや体操をゆっくりと無理のないようにすることが腰痛体操のコツです。もし、つま先立ちやかかとで立つことが出来ない場合は、できるだけ早く受診することが大切です。
 肩こりには、筋肉のこりをほぐす体操やストレッチ、マッサージを無理せず、できるところまで曲げたり伸ばしたりすることを勧めます。しかし、四六時中、あるいは痛みが日々強くなる時は、医師を受診して下さい。皆さんの悩みの種の腰痛と肩こりを知恵と工夫で解消し、是非予防することをめざして下さい。
島根県立看護短期大学 教授 福澤陽一郎

酒を敬い、酒の心を知り、
自分の心を照らし合わせる
(No.20)
酒は百薬の長(適量飲酒の人の場合だけですよ)
 昨年の猛暑と台風の上陸の多さには驚きの連続でした。また、新潟で大きな地震もあり、被害に遭われた方には、お見舞い申しあげます。
 ビール党の私は、お酒について門外漢ですので巷の情報でまとめました。洗練された酒の飲み方からすると「イッキ飲み」は堕落し「いじめ」的な飲み方で、急性アルコール中毒により毎年数名が命をおとし、宴会シーズンの社会問題となっています。毎日お酒1合程度(ビール大瓶1本、焼酎ぐいのみ2杯)程度なら、肝臓病、脳卒中(特に脳出血)、糖尿病などの生活習慣病に悪影響をもたらす心配のない適正酒量といえます。
 酒の効用について、もっとも有名な研究は、適正酒量の場合、お酒を全く飲まない人や大量に飲む人に比べて死亡率が低い「Jカーブ効果」を示すことです。その理由として、善玉(HDL)コレステロールの量を増やし、悪玉(LDL)コレステロールを抑え、心臓病を予防するためと考えられています。しかし、飲み過ぎると、量が増えるごとに血圧が高くなり、皆さんの一番気にしておられる高血圧の原因になります。
「酒の話」の著者である東京農業大学教授の小泉武夫氏が、江戸時代の「餅酒論」から餅好きと酒好きのそれぞれの議論のまとめとして「酒の十徳」で酒の効能を紹介されています。紙面の都合で一部にとどめますが、第1の徳「酒は独居の友となる」、第2「労をいとう」(仕事で疲れた体を癒す)、第3「憂いを忘れる」、第4「鬱をひらく」(心の愁いをはらう)・・・第7「百薬の長」、第8「人と親しむ」、第9「縁を結ぶ」、第10「寒気の衣となる」など左党の方々はうなずくことばかりだと思います。酒を敬い、酒の心を知って、自分の心をそれに照らし合わせながら、酒を身体の中に入れる、「酒は心で始まり、心で終わる」ことを島根の名酒で味わって下さい。
島根県立看護短期大学 教授 福澤陽一郎

からだ元気! 毎日いきいき生活(No.19)
秋を楽しんでおられますか?
 食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、行楽の秋、様々な秋の楽しみ方がありますが、皆さんはどんな楽しみ方をしておられますか。高血圧や糖尿病などの生活習慣病をもっておられる方は勿論のこと、毎日をいきいき過ごし生活の質(QOL)を高める上で、運動への関心が高まっています。
 内藤義彦氏(大阪府立健康科学センター)の「運動のすすめ」を参考にワンポイントアドバイスです。
1)運動強度は高くなくてよい:競技選手をめざす人は別ですが、健康づくりや病気の予防のためには、中等度の運動で十分で、その代表がウォーキングです。ウォーキングは「いつでも、どこでも、気軽にできる」運動ですので、歴史めぐり、自然散策などのマップ片手に秋を楽しんで下さい。
2)連続でなくても、毎日でなくてもよい:脂肪の燃焼効率のことをテレビ、雑誌でみられた方もあると思いますが、「1回10分でもいいから、1日合計30分の運動をしましょう」が脂肪燃焼にいいといわれています。あまり体を動かすことが少ない人は、毎日運動をすることをすすめますが、きつい運動や筋肉疲労がある場合は、休日を挟んだ方が良いし、その方が体力も向上するとされています。
3)有酸素運動だけが健康のための運動ではありません:サイクリングやウォーキングなど酸素を取り入れながら、20分以上継続できる運動を有酸素運動といいます。有酸素運動は、脂肪の燃焼に効果的であり、比較的安全で、高血圧や糖尿病を改善するなど様々な効用があります。それ以外の運動として、最近は、転倒予防のために、下肢筋肉の強化が有効と考えられ、筋肉トレーニングの有用性が注目されています。
 いい汗をかき、最高の季節を満喫して下さい。
島根県立看護短期大学 教授 福澤陽一郎

睡眠を考える(No.18)
睡眠とれていますか?
 睡眠について関心がたかまって、「快眠のために……」とか「オーダーメイドの特製枕」ということをよく耳にします。睡眠と聞けば、新幹線の居眠り運転で話題になった睡眠時に10〜100秒の無呼吸を繰り返す睡眠時無呼吸症候群や自殺などの予防に重要なうつ病の身体症状の一つに不眠があることを思い浮かべられる方が多いのではないでしょうか?
 歳をとって朝早く目が覚めてこまるとか、8時間の睡眠がとれていないと心配されている方は、安心して下さい。「睡眠障害の国際分類」では、(1)個人にとって必要な睡眠の量の不足、(2)朝、目が覚めた時に睡眠充足感がないこと、のいずれかがあった場合を不眠としています。なんのことはない、睡眠時間は人それぞれで、日中に眠気で困らなければそれで十分ということです。
 眠りを妨げる原因を皆さんはいくつあげることができるでしょうか?
 原因は、大きく5つあります。1)痛み、かゆみ、咳、腰痛などの身体に原因がある場合、2)騒音や温度、まぶしさなどの寝室の環境に原因がある場合、3)ステロイド剤や降圧剤などの薬物の副作用やコーヒー・緑茶などの飲み過ぎ、4)家族や仕事のことでの悩みやストレス、5)神経症、うつ病などの病気が原因で不眠になります。
 快眠のための工夫は、5つの不眠の原因を取り除けばいいのですが、ワンポイントアドバイスとして、「音楽やぬるめの入浴、香りなど寝る前に自分なりのリラックス法を」「昼寝は、午後3時までに1時間以内で」「昼間は、日光を十分浴びる生活を」「睡眠薬代わりの寝酒はほどほどに」でいい夢をご覧下さい。
島根県立看護短期大学 教授 福澤陽一郎

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