1月11日から18日の6日間、島根県シルバー人材センター連合会では企業側のニーズに即し、高齢者の就業・就職に照準を合わせた「パソコンを活用した簿記・会計講習」を開催した。最終日となる18日には松江ハローワーク・島根県経営者協会の協力、連合会主催で「合同面接会」の実施で受講者と企業側のマッチングも行った。
従来のパソコン初級講座では、Word・Excelの入力といった入門編のみ。就業・就職にはつながりにくいというのが本音の部分であった。そこで、今回は実務的な講習として「会計・簿記」に特化。受講者レベルもWord・Excelの文字入力及びマウス操作ができ、経理経験者や簿記の基本、貸借対照表と損益計算書の役割を理解している希望者から優先的に選考した。告知用のチラシに就職意欲、パソコン技能、経理経験に関するチェック表を掲載し、HPや携帯サイトでの申込みという条件も加えて受講者のレベルを絞り込んだ。
こうして集まった15名は一様に熱心で、休み時間を惜しんでは質問し、家庭での復習も欠かさないという声も聞かれた。「求職活動中だが、年齢のハードルは高い。自分の努力が試されている時だからこそ、技能を磨き、就職につなげたい」多くの受講者が厳しい現状を肌で感じているからこそ、専門性を身につけようと真剣なのだ。
最終日の「合同面接会」は受講者14名、企業三社が出席。参加企業はいずれも連合会が実施したアンケートで高齢者雇用に関心があると回答した企業。パソコン技能と会計・簿記の知識、経験を兼ね備えた人材との面接が可能ということから参加を決めたという。結果、二社が第二次面接を実施した。
今回の講習と合同面接会を参考に、実務的、専門的なカリキュラムの設定、時間数の増加などを検討し、より充実した講習の実施が今後も望まれるところである。 |