匠の技 「書」の奥義

入間川東9班 平山 範明
― 旧満州国に生まれ、高校卒業まで北海道帯広市に居住された氏は「北洲」の雅号をお持ちです。 ―
平成23年3月、43年間の教師生活を終え同年6月シルバー会員になりました。
書道は小1から始め、年を取っても体が動くうちは字は書けると思い、この道に入りました。
書体は篆書、隷書、楷書、行書、草書と一通り書きます。食べ物と同じで、色々な書体をそれぞれ勉強していって、集大成されて自分の得意とするところを中心に学んで来ました。その結果、中国の周時代の甲骨文、金文(最も古い漢字)を好んで作品にすることが多いです。
「書」のみならず、芸術を広く捕えていくには、それ以外のものを見たり聞いたりすることが大切です。見たものをどう表現するかの世界は個々に違って当然なので、指導のポイントは最初は基本的な筆の持ち方やリズムをきちんと身につくようにし、添削部分を出来るだけ少なくし、個性を大切に育て、少しずつ進めていきます。
紙と墨の世界に留まらず、試行錯誤の末、和服・帯・ネクタイ・ハンカチーフ・ガラス・金属等々紙以外の素材にも書いています。
― 奥様やお嬢様の和服には、金文、百人一首、紀行文、童謡の歌詞などが、まるで優雅な絵巻きのように染められていて、気取らず気負わず自在に表現して尚余り有る「北洲の世界観」に思わず心を奪われてしまいました。その道を極めた達人のその先にあるものはやはり「文化の伝承」でした。
取材に際し、奥様にもご協力を戴き、ありがとうございました。
広報部 熊谷 永子